税のミニ通信

確定申告 雑損控除について 2012年2月

2012/02/1

東日本大震災による損害を確定申告で補填する


東北税理士会いわき支部です。

昨年の東日本大震災により家屋や家財、車両、お墓などについて損害を受けている場合には、確定申告をする事で税金が還付される可能性があります。


1.雑損控除とは?

 雑損控除とは、災害等により被害を受けた場合、その人の「所得の合計額」から一定の資産に受けた損失の金額のうち一定の金額を差し引く事が出来るものです。この雑損控除が適用できれば所得が減少しますので、税金もその分減少し還付されます。


2.損失の金額とは?

日常生活に供する住宅や家財で、本人、本人と生計を一にする総所得金額38万円以下の

配偶者や親族の所有するもの。(別荘、時価30万円超の貴金属、書画骨董等はダメ。)で災害や盗難、横領等による損害が対象となり、次の算式で計算されます。

   「資産の損害額」      - 「損害の補てん額」  +「災害に伴う支出」

被災直前の時価 被災直後の時価廃材価格保険金額等災害等の関連支出

 ※震災による資産の損害額の算定


  時価の把握は難しいため、家屋の取得(建築)価額(不明の場合、家屋の構造や床面積等

から算定。)から、経過年数に応じた減価償却費の金額を差し引いた金額を損害額とし

、全壊ならその全額が損害額ですし、半壊や一部損壊、津波の浸水の有無等に応じ

て損害額を算定します。また、家財も同様に損害額が不明であっても、震災時におけ

る家族構成から損害額を算定できます。


 ※災害等の関連支出とは

  災害により壊れた住宅・家財の取壊し費用や、家屋等の原状回復のための修繕費(一

定の制限があります。)など、災害に関連した支出。


3.実際の雑損控除額の算定

(1)上記2の 損失の金額 総所得金額等× 10%

             総所得金額等…給与所得のみの場合給与所得控除後 

             

 (2)上記2の 災害等の関連支出 -5万円


 (3)(1)(2)のいずれか大きい金額


4.雑損控除額の金額が大きければ次年度以降も税金が減額される。

 雑損控除の金額がその年の「所得の合計額」を超える場合、その超える金額は次年度以降最長5年間繰越せ、次年度以降も税金を減額させる事が出来ます。


5.必要書類

・取得時期、取得価額、床面積等の分かるもの

・取壊し費用、除去費用、修繕費用の分かるもの

・地震保険その他受取保険金等の金額の分かるもの

・「り災証明書」、還付金の振込先の金融機関名、口座番号の分かるもの

・雑損控除を適用する年の所得の分かるもの(確定申告書や源泉徴収票)


6.災害減免法による所得税の軽減・免除を選択する?

 損害額が住宅や家財の1/2以上の場合には、どちらが有利か検討して、雑損控除に代えて、災害減免法に基づく所得税の減免を受ける事もできます。


7. その他

 昨年の東日本大震災については、その個人の収入の状況・事情によって、どの年度で適用するか等も含め、様々な手法が考えられますので、早いうちにご相談を。