税のミニ通信

改正国税通則法の施行

2012/11/01

 平成23年の税制改正により、国税通則法に第7章の2「国税の調査」が加わった。これにより税務調査の手続きが法定化され、平成25年1月1日以後新たに納税者に対して開始する税務調査について適用される。

 特に国税通則法74条の9①により、税務調査に際して、納税者に対し同条に示されている事項が、原則として事前に通知されることになり、法律上明確化されたことは大きな改正である。

 ただし、同条の例外規定として、国税通則法74条の10がある。この条文は税務署が保有する情報等から、事前通知をすることにより正確な事実の把握を困難にする、又は調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合には、事前に通知を行わないという規定である。この規定は、事前通知を行わなくても全ての税務調査に着手できることを法定化したものではなく、あくまで例外規定であり、拡大解釈が許される条文ではない。国税庁でも、調査手続通達4―9、4-10により例外事由を示している。

 今回の改正国税通則法の施行により、今まで不明確だった税務調査手続きが明確化され、

租税行政庁への信頼の向上と納税者の権利保護の両者が実現することを期待したい。


参考条文

【国税通則法74条の9①】

 税務署長等は、国税庁等又は税関の当該職員に納税義務者に対し実地の調査において第74条の2から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定による質問、検査又は提示若しくは提出の要求を行わせる場合には、あらかじめ、当該納税義務者に対し、その旨及び次に掲げる事項を通知するものとする。

1 質問検査等を行う実地の調査を開始する日時

2 調査を行う場所

3 調査の目的

4 調査の対象となる税目

5 調査の対象となる期間

6 調査の対象となる帳簿書類その他の物件

7 その他調査の適正かつ円滑な実施に必要

  なものとして政令で定める事項

【国税通則法74条の10】

 前条第1項の規定にかかわらず、税務署長等が調査の相手方である同条第3項第1号に掲げる納税義務者の申告若しくは過去の調査結果の内容又はその営む事業内容に関する情報その他国税庁等若しくは税関が保有する情報に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認める場合には、同条第1項の規定による通知を要しない。


東北税理士会いわき支部 税理士 吉田利彦