税のミニ通信

相続税等の改正について

2013/04/01


 平成25年度税制改正(所得税法等の一部を改正する法律)の資産課税関係のうち、影響が大きいと考えられる3点について概要を紹介します。

1 相続税の基礎控除額の引下げ及び税率構造の改正(平成27年1月1日以後の相続等に適用)課税割合が低下するなど富の再配分機能が低下している現状を受け、課税ベースの拡大と税率構造の見直しが行われました。

(1)基礎控除額(課税最低限度額)の引下げ(4割カット)

現 行

5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)

改正後

3,000万円+( 600万円×法定相続人の数)

例えば、相続人が4人の場合、現行では相続財産の課税価格が9,000万円までは相続税がかかりませんが、改正後は5,400万円を超えると課税されることになります。

(2)税率構造の改正(表1参照。)

2 小規模宅地等の特例の改正≪相続財産のうちに、被相続人の事業の用や居住の用に供されていた宅地等がある場合、これらは相続人等の生活基盤そのもので、事業又は居住を維持継続していく上で欠くことのできない財産であることから、それらの宅地等に係る課税価格の計算に当たり、通常の方法によって評価した価格から一定の割合の額を減額する特例制度。≫(平成27年1月1日以後の相続等に適用)

小規模宅地等についての相続税の課税価格の特例について、居住用宅地の限度面積が拡大されるとともに、居住用宅地と事業用宅地の完全併用が可能とされました。(表2参照。)

(注)居住用宅地の適用要件緩和(内容省略)については、平成26年1月1日から適用。

3 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置 高齢者の保有する資産を現役世代に早期に移転させ、その有効活用を図るために創設されました。

平成25年4月1日から27年12月31日までの間に、30歳未満の受贈者が、①直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約(以下「契約」という。)に基づき信託受益権を取得した場合、②直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を契約に基づき銀行等に預貯金として預入をした場合又は③契約に基づき直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で金融商品取引業者から有価証券を購入した場合には、これらの信託受益権等の価額のうち1,500万円までは、贈与税が課税されないことになりました。

(注)1.教育資金とは、①学校等に直接支払われる入学金・授業料その他の金銭、②学校等以外の者に直接支払われる金銭のうち一定のものをいいます。

(注)2.受贈者が30歳に達した時に契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額(「注1」の②に該当するものについては500万円が限度とされます。)を控除した残額がある場合には、その時点で残額に贈与税が課税されます。

【表1】相続税の税率構造

 

課税価格(法定相続分に応じた各人の取得金額)

1千万円
以下の
金  額

3千万円
以下の
金  額

5千万円
以下の
金  額

1億円
以下の
金 額

2億円
以下の
金 額

3億円
以下の
金 額

6億円
以下の
金 額

6億円
超 の
金 額

税率

現 行

10

15

20

30

40

50

(%)

改正後

10

15

20

30

40

45

50

55


【表2】小規模宅地等の課税価格の特例制度の概要

 

相続開始直前の状況

小規模宅地等の種類

減額割合

限度面積

現 行

改正後

A


被相続人等の事業の用に供されていた宅地等

(下記「C」に該当するものを除く。)


特定事業用宅地等

80%減

400㎡

400㎡


特定同族会社事業用宅地等

B


被相続人等の居住の用に供されていた宅地等


特定居住用宅地等

80%減

240㎡

330㎡

C


被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等


貸付事業用宅地等

50%減

200㎡

200㎡









特例の対象として選択する宅地等のすべてがA、B又

はCである場合の限度面積

現 行


A + (B×5/3) + (C×2) ≦ 400㎡

改正後


A ・ B :それぞれ限度面積まで活用できる。


C : (A×200/400) + (B×200/330) + C ≦ 200㎡