税のミニ通信

平成25年度事業承継税制改正について

2013/07/01

平成25年度税制改正では、今まで使い勝手の悪かった『事業承継税制』の適用要件が大幅に緩和されています。平成21年に創設された同税制ですが、要件の厳しさから認定件数は少なく、今後大幅に増えることが予想されます。事業承継は多くの中小企業が抱える喫緊の課題ですから、改正の概要だけでも押さえておきましょう。

 事業承継税制とは「後継者(先代経営者の親族に限る)が、先代経営者から相続・贈与により非上場株式を取得した場合に、その80%分(贈与は100%分)の納税を猶予する。5年間は厳しい『適用要件』を満たしている必要があり、5年後以降も株式を保有し事業を継続すれば、後継者の死亡(または会社倒産)時点で納税が免除となる。」というもの。改正前の事業承継税制を使って納税猶予の適用を受けるためには相続開始前に一度、経済産業大臣の確認を受け、相続開始後に認定を受ける必要があり、5年間は「親族の後継者が代表を継続、先代経営者は役員を退任、雇用の8割以上を毎年維持」するなどの『適用要件』が義務づけられていました。これが満たせなくなると納税猶予は打ち切りとなり、猶予されていた相続税・贈与税額に利子税も加えて納税しなければなりませんでした。

 今回の改正では承継対象者を親族から親族外にも拡大。贈与時には先代経営者が役員から退任しなければならないという点についても代表を退任すればよく、有給の役員としては残れる形となりました。また雇用の8割以上維持についても毎年維持しなければならないというものから5年間の平均で8割以上維持と緩和されました。主な改正の内容は下記のようになります。

 なお改正の施行は平成27年1月からとなります。

主な適用要件

改正前の概要

25年度改正の内容

後継者

先代経営者の親族に限定

親族に限定しない

雇用8割維持

5年間毎年維持

5年間の平均で評価

利子税負担
(認定取消時)

要件を満たせず納税猶予打切りの際は、納税猶予額に加え利子税の支払いが必要

利子税率の引下げ(現行2.1%から0.9%に)。承継期間が5年超で、5年間の利子税を免除

相続・贈与から5年後以降は、後継者の死亡または会社倒産により納税免除

民事再生、会社更生、中小企業再生支援協議会での事業再生の場合には、納税猶予額を再計算し、一部支払い免除

役員退任

先代経営者は贈与時に役員を退任

贈与時に代表者からは退任(有給役員として残留が可能)

事前確認制度などの手続き

経済産業大臣の事前確認が必要

事前確認制度を廃止。提出書類が大幅に簡略化
株券発行が不要

債務控除方式

(納税猶予額計算)

株式評価額から経営者の個人債務、葬式費を控除し、納税猶予額が少なく算出

先代経営者の個人債務、葬式費用を株式以外の相続財産から控除するので、納税猶予額が少なくなることがない