税のミニ通信

今年から、源泉所得税の取り扱いが変わっています。

2013/09/01


1.復興特別所得税の創設


東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保との観点から、本年より、復興特別所得税が創設されています。

   復興特別所得税は、2013年1月1日から2037年12月31日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際、源泉所得税の額の2.1%相当額の復興特別所得税を併せて徴収することとされました。

   例えば、従来10%の源泉所得税率の報酬を支払った場合、本年からは、復興特別所得税を含めた10.21%(1円未満切り捨て)で計算した税額が、源泉徴収税額となります。

   月々の給与等から源泉徴収される所得税については、この復興特別所得税額を加味し本年分より適用されている「源泉所得税額表」に基づき、源泉徴収税額を納付することとされています。なお、月々の所得税及び復興特別所得税は、従来と同様に、年末調整により精算されることとなります。


2.納期特例者の源泉所得税の納期


 給与等の支給の際に徴収した所得税等の税額は、原則として、翌月の10日を納期として納付を行うこととなっています。ただし、常時10人未満の人員を対象とする源泉徴収義務者にあって納期の特例の承認を受けている場合は、1月から6月支給分の税額を7月10日まで、7月から12月支給分の税額は翌年1月10日までという年2回で納付を行うこととなっていました。

 今回の改正で、納期の特例の承認を受けている源泉徴収義務者は、7月から12月までに支払った給与等から徴収した源泉所得税の納期限が翌年1月20日とされ、昨年の7月1日以後に支払うべき給与等から適用されています。

 納期の特例の承認をうけている源泉徴収義務者のなかには、過去に納付遅延等がない等を条件に、1月20日を納期限とする源泉徴収義務者に該当している場合もありましたが、今回の改正で、納期の特例の承認を受けている場合は、すべての源泉徴収義務者の納期限が1月10日から1月20日へと変わることになります。

 納期の特例を受けていない源泉徴収義務者にあっては、12月分の源泉徴収税額の納付期限は、従来同様、翌年の1月10日となります。




3.給与所得控除額の見直し


   給与所得者に対する年税額を計算する場合、所得金額を算出するための給与所得控除額については給与等の収入金額に応じて定められており、例えば、1,000万円を超える場合は、それ以上の収入金額に制限なく「収入金額×5%+170万円」で算出した額を収入金額から差し引くことができました。

   今回の改正によって、本年以後の所得税については、給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額については、「245万円」までの定額とするという制限が設けられ、一部の所得階層の所得金額の算出方法が変わりました。

   

4.退職所得課税の見直し


   退職所得の課税については、勤続年数5年以下の特定の法人役員等(法人役員に相当する公務員・議員を含む)に係る退職所得の課税方法について、退職所得控除額を控除した残額の2分の1とする措置が、本年分以後の所得税について廃止されています。

   退職所得については、永年の継続的な勤務に対する報償であり老後の生活保障等の性格等を有するものとして、給与所得課税とは異なり、課税の方法として、退職金等の金額から一定の勤続年数より計算した金額を控除し、さらに残額の2分の1の金額に税率を乗ずることにより税額を算出しています。

   今回の改正で、勤続年数5年以下の特定の法人役員等については、2分の1としないで退職金の税額を計算することとなりました。


   上記の3.給与所得控除額の見直しや4.退職所得課税の見直しは、個人住民税にも反映され、給与所得控除額は2014年度分以後、退職所得課税は本年1月1日以後にそれぞれ適用することとなっています。


5.扶養控除等申告書の保存年限


   所得金額や税額の計算の改正とは別ですが、給与所得者の扶養控除等申告書の提出を受けた源泉徴収義務者は、その申告書等を7年間保存することが法令に規定され、本年1月1日以後に提出すべき申告書について適用することとされています。