税のミニ通信

中小企業向け特例措置の適用制限について

2014/06/01

-資本金等が5億円以上の法人等の100%子法人に対する特例処置の制限-

1.中小企業特例措置の不適用
 グループ法人税制において、親会社の資本金が5億円以上の場合の100%子会社、あるいは資本金一億円超の会社には、税率、貸倒引当金、交際費などに関して中小企業特例措置が適用されません。中小法人は、一般的に資金調達能力が脆弱で事業規模も零細であると考えられており、政策的に配慮からさまざまな法人税法上の優遇措置が特例的に認められています、しかしながら、大法人の子会社が中小法人に該当するとしても、このような配慮をする必要性が、必ずしも高いとはいえないので、平成22年度税制改正におけるグループ法人税制の導入下記(①~⑤)の取扱いが定められ、平成23年度税制改正のおいて下記(⑥~⑦)が追加されました。

①法人税の税率
 軽減税率は、適用されません。所得のうち800万円井かの部分に対する税率も、25.5%になります。

②特定同族会社の特別税率(留保金課税)不適用
 留保金課税が適用されます。

③貸倒引当金の導入
 一貫金銭債権に係る貸倒引当金の算出については、法定繰入率での計算でなく、貸倒実績率での計算が適用されます。

④交際費等の損金不参入制度における定額控除制度
 定額控除制度は適用できず、全て、損金不参入となります。

⑤欠損金の繰り戻しによる還付制度
 解散、事業の全部の譲渡など一定の事実が生じた場合を除き、この制度による還付の請求は、適用されません。

⑥貸倒引当金制度
 銀行、保険会社又は金融に関する金銭債権を有する法人など、一定の法人を除き貸倒引当金制度の適用法人は、次の三つに限定されます。
   イ.中小企業や協同組合等
   ロ.銀行、保険会社等
   ハ.売買があったものとされるリース資産の対価の額に係る金銭債権等を有する法人

 なお、これらの法人以外については、現行法による損金参入限度額に対して平成26年度は1/4の引当を認める経過措置が講ぜられています。

⑦欠損金の控除限度額の縮滅不適用
 青色申告を提出した事業年度欠損金及び災害による損失金の繰越控除制度における控除限度額は、繰越控除をする事業年度の控除前所得の金額の80/100相当額となります。損金を利用できず、未控除となる20%相当額に法人税が加算されます。これに伴い欠損金の繰越機関9年となります。

【東北税理士会いわき支部 税理士 中野文雄】