税のミニ通信

使途不明金と使途秘匿金

2014/12/1

1.不明と秘匿

 法人が経営活動を行うに当たっては、様々な支出が伴いますが、支出額や支払先がわかっているものの、その使途が明らかでないもの、または法人が使途を明らかにしないもの、つまり「はっきりとわからないもの。明らかでないもの」は使途不明金となります。
 一方、相手方の氏名、名称、住所または所在地、その事由を帳簿書類に記載していていもの、つまり支出目的を含め全てが不明なもので「秘密にして隠しておくもの」は使途秘匿金となります。
 使途不明金も使途秘匿金も、ともに法人の健全な経営活動であるとは言い難く、社会的なモラルの問題といえますが、更に、使途秘匿金にあたっては相手方の氏名等さえも明らかにしないことから、その背後に違法ないし不当な目的があるものと疑われても致し方ないでしょう。

2.税務上の処理の違い

 このように一見類似している使途不明金と使途秘匿金とでは、その支出目的や内容、帳簿記録の有無等に違いがありますので、税務上の処理もその違いに添ったものとなります。
 使途不明金については、法人の経営活動との関連性が明確になっていないことから、法人の損金をして処理することはできません。法人の経理処理上は何らかの費用勘定科目で処理することになりますが、法人税の計算上は「損金不算入」として自己否認し税金の対象とします。ただし、このように法人が税金を負担する場合であっても、支出相手等が明確になっていないと法人役員への賞与として役員個人への課税が発生する可能性がありますのでご注意下さい。
 使途秘匿金については、相手方の氏名等の記録がまったくないことから、違法ないし不当な目的の疑いがあるものとして、そのような支出を抑止するための追加的税負担の措置が講じられています。使途不明金の場合と同様に「損金不算入」として税金の対象となるだけでなく、支出(支給)した金額にたいして別途40%の法人税の負担が生じます。この別途40%の法人税の負担は、通常の所得計算上は法人税が派生しないような赤字法人であっても、負担しなければならない税金ですのでご注意下さい。