税のミニ通信

年末調整を終えて

2015/02/01

 昨年末、企業にとって重要な年末調整を終えることができ、束の間の休息の中、昨年を振り返り本年の抱負をたてながら筆をとっています。毎年写真から年末調整についていろいろな疑問を受けますが、幾つか取り上げ私見を述べてみたいと思います。

 一つ目は自動車等の交通用具を使用する者に支給する通勤手当の非課税限度額の改正が長年行われず毎年同額であった事です。
 非課税限度額は国家公務員の通勤手当が引き上げられた事から、国家公務員の通勤手当に準拠して定められている為、所得税法施行令の一部改正(平成26年10月)により定められたと思います。
 昨今のガソリン代高騰・消費税の導入等により自動車の維持管理費の増加は、自動車等通勤者の重荷でしょう。今回の改正は利用者にとって多少なりとも朗報となったのではないでしょうか。
 しかし、非課税限度額の引上げ相当額を通勤手当として支給した場合は、所得税は増加しませんが、社会保険料等は増加します。当然会社負担分の社会保険料等も増加してしまいます。会社においては、再度通勤手当の算定を見直し、法改正の影響の有無について検討してはどうでしょうか。
 通勤手当は自動車にせよ電車にせよ実費精算であり、そこに損益は発生しませんし、企業活動において必要不可欠な費用であるならは社会保等の保険料算定計算から除くべきと思います。
 通勤手当について国と当然検討しているとは思いますが、その時代の経済事象、ハイブリット車などのエコカーを種類別にすることも含め、通勤手当がどうあるべきか再度検討する時ではないかと思います、
 二つ目は子供を育てている一人親の寡婦(夫)控除に違いがある事です。
 ライフスタイルも多様化した現在、総務省しらべによると、1人親で子育てをする男女が増加しており、中でも未婚のシングルマザーが急増しています。母子家庭・父子家庭になっても我が子に人並みの生活をさせたてあげたいと思う気持ちは強いと思います。国や地方公共団体は、各種の手当と助成制度を設け支援しています。児童扶養手当、医療費助成、無利息の奨学資金制度などです。これらの助成制度はシングルマザー(シングルファザー)、未婚のシングルマザー(ファザー)の区別なく審査が通れば受けることができます、
 福祉は区別がないのに、税法では1人親の寡婦(夫)控除に、何故差があるのか疑問が起きます。地方公共団体の児童扶養手当審査を基準に、事実婚を除いた上で認める様、改正しても良いのではないでしょうか。
 三つ目は婚姻によらない事実婚の女性は何故、配偶者控除に該当しないのか。
 婚姻は、家同士の結びつきと考えた時代から、個人の結び付きを中心とする考えに変化している現在、ライフスタイルの多様化からも婚姻のあるべき姿は変化しているのではと思います。
 形に囚われることなく、社会の一員として生活する姿があるなら、配偶者控除対象者として認めるのは、法の下の平等から、一考する必要が生まれてくるのではと思います。
【東北税理士会いわき支部 税理士 大平 孝範】