税のミニ通信

平成27年度税制改正と所得控除についての考察

2015/4/1

 平成27年度の税制改正の中で我々の生活に密接にかかわるものを次に挙げてみた。

①住宅ローン控除等の定期用期限の延長

 経済再生と財政の健全化の両立のためとして、平成27年10月に予定していた消費税率の引き上げ時期が平成29年4月に変更された、これに伴い住宅ローン控除等の適用期限が平成29年12月から平成31年6月30日まで1年6ヶ月延長された、住宅建築は幅広い系税波及効果が期待され、住宅税制は納税者へのアピール度も高いことから、これまでもたびたび改定が重ねられてきた。昨年、消費税が8%に引き上げられたことに伴い様々な経過措置や負担軽減措置が設けられたが、住宅ローン減税の拡充もその一つである。


 住宅ローン減税は、居住者が返済期限10年以上の住宅ローンを金融機関から借り入れて住宅ローンを金融機関から借り入れて住宅等を新築・取得した場合、住宅ローン等の年末残高の合計額等を基に計算した金額を、居住した年分以後の所得税から控除できる制度である。


 一般住宅の場合、平成26年4月~平成29年12月に居住した場合には、


 ●借入限度額4000万円・控除率1%・各年の控除額40万


 ●控除期間10年・最大控除額400万


 とされている。




②住宅所得金額の贈与


 直系尊属から住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、一定の措置を講じたうえでその適用期限を平成31年6月30日まで延長された。




③結婚・子育て資金の一括贈与


 個人(20歳以上50歳未満の者に限る。)の結婚・子育て資金の支払いに充てるために、その直系尊属が金銭等を拠出し金融機関に信託党をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち、受益1人につき1000万円(結婚にさいして支出する費用については300万円を限度とする。)までの金額に相当する部分の価額については、平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととされた。


 これは将来の経済的不安が若年層に結婚・出産を躊躇させる大きな要因の一つとなっていることを踏まえ、祖父母や両親の資産を早期に移転することを通じて、子や孫の結婚・出産・育児を後押しするために講じられたものである。


 現在、わが国においては、少子高齢化の進展・人口減少・所得格差の拡大等の社会的問題が指摘されて久しい。前掲の①②・③については、富める者、経済的に恵まれた者、本人はともかくとして裕福な祖父母両親を持った者に対する施策でしかないように思われる。恵まれた世継ぎ人の多い政界のお坊ちゃま的発想だろうか。


 若い世代が結婚して子供を産み育てやすい環境を整備することは極めて重要なさしせまった問題である。税制がこれらに貢献するためには、よほど思い切った施策が必要であろう。


 たとえば、103万円の壁などと呼ばれて、女性の社会的進出を阻んでいるとして廃止が検討されている配偶者控除である。こんな控除はさっさと廃止して、共稼ぎ夫婦や子育て中の夫婦の場合、給与所得控除を数倍に拡大して税負担を大幅に軽減してはどうだろうか。


 昔からいわれている。「1人では食えなくとも2人なら食える」と。


(参照:平成27年度税制改正大綱)


【東北税理士会 いわき支部 税理士 横田勝弘】