税のミニ通信

雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除

2015/08/1

角丸四角形: 雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除一. 所得拡大促進税制

所得拡大促進税制は、平成25年度税制改正において、個人所得の拡大をして消費喚起による経済の活性化を図るために創設されました。

制度内容は、青色申告法人が給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の10を法人税額より控除するものです。控除額の上限は法人税額の10%(中小企業者等は20%)です。

その後の改正では、より多くの企業が本制度を活用できるよう要件緩和を行い、適用期間においても平成30331日までに開始する各事業年度へ延長しました。

この制度は次の①から③の全要件を満たさなくてはなりませんが、多くの企業にご利用いただきたい控除です。


二.適用要件

国内雇用者への雇用者給与支給額が基準年度より一定割合以上のこと

国内雇用者とは、法人の使用人(役員やその親族、特殊関係者、使用人兼務役員は含みません)のうち、国内事業所に勤務する賃金台帳記載の雇用者をいいます。

雇用者給与支給額とは、損金の額に算入されます国内雇用者への給与等の支給額をいい、他の者からその給与等に充てるため支給を受ける金額を控除します。

基準年度とは、平成2541日以後最初に開始した事業年度の前事業年度をいいます。(新設法人等は別途取扱があります)

一定割合は、平成27331日までに開始する事業年度は2%、平成28331日までの開始事業年度は3%、平成29331日までの開始事業年度は4%、平成30331日までの開始事業年度は5%です。なお、中小企業者等においては平成2741日から平成30331日までの開始事業年度は3%となります。


雇用者給与等支給額が前事業年度以上のこと

適用を受ける事業年度と前事業年度の雇用者給与等支給額を対比します。


平均給与等支給額が前事業年度を上回ること

平均給与等支給額とは、適用事業年度の「継続雇用者」の給与等支給額を月毎の延人数による合計で除した金額をいい、前事業年度の平均給与等支給額(「比較平均給与等支給額」といいます)を超えることが要件です。

継続雇用者とは、適用事業年度と前事業年度の両方において給与等を受給する国内雇用者をいい、退職者等は原則含まれません。

継続雇用者の給与等支給額とは、雇用保険法の「一般被保険者」である継続雇用者への給与等の合計額から、高年齢者雇用安定法による継続雇用制度の対象者に支給された給与等を差し引いた金額をいいます。前事業年度に退職した者や適用年度に入社した者は原則として継続雇用者に含まれません。

一般被保険者とは、雇用保険の加入対象者をいい、65歳以上の者や1週間の所定労働時間が20時間未満の者、及び高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者以外の者をいいます。


紙面の都合上詳細を省略しました。また、産業育成促進及び震災復興等の施策による設備投資や人材雇用等に係る税額控除もありますので、実際のご利用につきましては税理士にご相談願います。