税のミニ通信

現物給与の源泉所得税に注意

2015/9/1

現物給与の源泉所得税に注意!


企業(事業者)は、従業員の給与から毎月、所得税の源泉徴収を行っています。課税対象となる給与は、金銭だけではありません。自社の商品・製品の支給や値引販売、食事や社宅等の貸与なども現物給与として課税対象になる場合がありますので、注意しましょう。


徴収漏れに注意しましょう。

従業員への通勤定期券、自社の商品・製品の値引販売、食事、社宅の提供などは現物給与になります。ただし、現物給与には図表1のように非課税とされるものもあります。

 このように現物給与は、実務的に複雑で、誤解や誤りも多く、源泉徴収を対象にした税務調査でもよくチェックされるところです。源泉徴収漏れを指摘されると、従業員から源泉徴収の不足分を改めて徴収しなければなりませんので、十分に注意しましょう。


社会保険料算定の際も現物給与を合算

 厚生年金保険および健康保険の保険料算定の基礎となる標準報酬月額を求める際、現物給与と金銭によるものの合算が必要な場合があるので注意しましょう。

 この場合の現物給与の価額は、食事や住宅については厚生労働大臣の定める金額(1)になり、自社の商品・製品については、原則として時価で換算します。

(1) 平成27年4月から、厚生労働大臣が定める「食事で支払われる報酬等」の価額がかいていされています。


図表1
主な現物給与で非課税になるもの

通勤定期券

1か月当たり10万円まで

永年勤続者への記念品

概ね10年以上の勤続者を対象にしたもので、2回以上表彰を受ける人は、概ね5年以上の間隔が開いていること

創業記念品等

その処分見込額が10,000円以下であること

食事の支給

従業員が食事価額の1/2以上を負担し、負担額が月額3,500円以下

残業、宿日直時の食事

通常の勤務時間外における残業、宿日直者に対して支給する食事

深夜勤務者の夜食代補助

深夜勤務者の夜食代(金銭)で勤務1回につき300円以下のもの

祝の金品、見舞金等

社会通念上相当なもの

商品・製品の値引販売

取引価額以上で、かつ、通常の販売価額の70%以上の価額

宿日直料

勤務1回につき4,000(食事が支給される場合は、その価額を控除した残額)

貸与住宅

家賃相当額で一定の要件に該当するもの

災害等による生活資金の無利子貸付け

災害等により従業員へ臨時に多額の生活資金を無利子で貸付けた場合、その利息相当額

レクリエーション費用の負担

社会通念上一般に行われるレンリエーション費用(任意の不参加者への金銭支給や役員だけを対象とする場合を除きます)


【東北税理士会いわき支部 税理士 李寿仁】